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月影日記

jose84.exblog.jp

この世を照らす光あらば、闇夜を斬る影もあり

先日、中国地区の春季大会がありました。
この大会で以前に増して感じたのは、我が流派においては、各道場での指導者の
指導に恐らく違いがあるという事。

この大会は、型の演武の優劣を競い合うのですが、おそらく武術における
「型」の位置づけ、その意味といった基本的な認識の違いが先ずあり、
「型」稽古で習得すべき身体操法の違いがあり、さらに、型で設定されている
相手の位置や状況、斬るべき場所と斬る方向と斬り方、要求される技術などの
解釈が指導者により違いがあるとつくづく感じます。
その指導の結果として指導される側に反映された姿が見受けられます。

型の演武においては、仮想敵を自分と同じ身長と想定して行うのですが、
敵がいない自分本位のご都合よい刀の振り回しや、斬る場所が違っていたり、
古武術ではなくスポーツ理論の身体操法だったり。

型での習得で要求される事や、斬る場所が違うという決定的な落ち度が
優劣の評価にどの様に反映されたかが、もし公開されたならば・・・

武術における「型」は、先人が体験と研究と苦労を重ね、今のように安易に
マニュアル化したりせず、今のように画像を始めとした表現力の乏しい時代に、
武術の身体操法の理論と習得すべき能力を集結させた日本の古武術において
最も大切にされる稽古方法であり、決してパターン練習のひな型でもなく、
本来、演ずるためのものではないのです。

それを居合術ではなく居合道という「道」において、生死を超えたところでの
闘いの遣り取りのなかでの対処をどう行うか、心の表現も含めて仮想敵にて
実施する。それが演武だと己に言い聞かせるように私は受け留めているのですが、
さて他の方達はどうなのか?

日本の伝統的な「道」のつくものには茶道や花道を始め数多くあり、その道で
修得する精神性には多くの共通点がある訳ですが、居合は人を斬る武術である以上、
そこから得るべき精神性は、生死を前提とした術の修行要素を蔑ろにしては
辿り着けないものだと私は思います。








# by yonagosinbukan | 2024-03-19 11:40
コロナ禍での稽古も2年半が過ぎました。
この間、多くの行事が中止となってきましたが、先日9日、
浜松市での段別競技大会が通常開催されました。
久しぶりの再会となった先生方もいらっしゃれば、姿を見る事が
出来なかった先生方も。2年間という月日を感じます。

さて、連盟も会長が代わり、少しずつ違いが表れてきたようです。
我が流派でも当然同じように変化が見られます。この事は、
各地で指導する先生方にも影響が出ているようで、今後は
指導者による違いがもっと表面化するかもしれません。
ただ、当代に対する評価等は様々あったとしても、無双直傳英信流の
居合として行うならば、それは当代の居合が無双直傳英信流であると
いう事は各人が肝に銘じておく必要があります。

先代が言っておられましたが、居合は各人それぞれの居合があっても良いし、
守・破・離と進めば自分の居合が出来上がっていくのは必然。但し、
無双直傳英信流の居合は宗家の居合だけ。と言われておりました。
この事を踏まえて、自身の居合の研鑽に精進していきたいと思います。




# by yonagosinbukan | 2022-10-19 14:15
新年を迎え、道場での初稽古を9日にスタートだったのですが、
大晦日からの厳しい寒波で大雪は降る、気温は下がるで、
集まったのは6人。
状況が厳しく、高齢の方や遠隔地の方は来ませんでした。
私個人は三箇日までの正月行事を終えて、スタートをきっておりましたが、
昨日、ほぼ集まっての稽古、居合の新年が本格的にスタートしました。

昨年は新型コロナウイルス感染の状況から、居合道連盟の行事が
ことごとく中止となり、昇段審査の受審を予定し稽古してきた
方たちは、当面の目標設定が崩れ、モチベーション維持にも
影響があったと思います。
しかし、ある意味、落ち着いて基礎的な稽古に時間をかける事が出来、
長い目で見れば良かったとも考えられます。

年は新になりましたが、コロナ感染の状況はむしろ厳しさを増し、
昨年出来なかった事がいつから出来るようになるのかは不確定。
社会全体が元通りを取り戻すのではなく、新しい日常、新しい仕事の仕方など
状況に対応した新しいやり方を模索しております。

私共の居合においては、社会の変化に対応したやり方を工夫しながら、
何百年と続いてきた日本の武術の守るべきもの、受け継いでいくべきものを
再確認し、稽古に励む所存です。




# by yonagosinbukan | 2021-01-17 19:10
このところ、コロナウィルスのお陰で、ことごとく行事が変更となり、
居合でも年2回の地区大会や全国大会が中止。
大会時でしかお会いできない方々もいらっしゃるので、寂しい限りです。

稽古の方も、一定の目標設定が崩れ、日々の積み上げを淡々と
続ける事となり、特に低段位の方々はモチベーションを維持する
事にも影響があるように見受けられます。

しかしながら、本来、稽古というものはそういうもので、
ただコツコツと繰り返し繰り返し積み上げていくものです。

最近は、少なくとも私は2段までの人たちと、型の本質を考えながらの
基礎を繰り返すような稽古に時間を割いております。
稽古としては地味ですが、これが本来の在り方。
「型」の意味をはきちがえ、演武のための演技力のような練習や、
実戦でのパターンのような練習とは違う稽古、この積み上げは、
後々には大きな違いとなり、個々の居合道に生きてくると思います。






# by yonagosinbukan | 2020-10-10 22:45
お盆の大型休日も終わりました。
報道によりますと、お盆の帰省については、約9割の方が帰省を取りやめたそうです。
実際にはお盆の帰省の無い方もおりますので、当地でも県外者の姿は通常より
多く見かけました。

新型コロナの影響は依然続いており、我々居合道に励む者にとっても例外にはありません。
秋に予定されていた中国地区大会も開催は困難な状況です。

年に2回行われる地区大会時には、五段までの昇段審査も行われており、
私が現在指導しております二段以下の者たちは、9月の昇段を目指して
この酷暑の中、稽古してきたわけですが、秋の昇段は困難なようです。

現在、日本はおろか世界中がコロナ渦での様々な影響に翻弄されている状況下
ですので、致し方ない事だと思います。割り切るしかありません。

私は個人的には段位称号にはあまり関心が無く、組織的な秩序のため、
序列を定めるくらいに受け留めております。
しかし、〇段と段位を頂いている以上は、少なくとも自身の段位より下の
方よりは、剣理・識見・指導力等において上回るものが必要と組織人としては
思います。

古くから伝わる武術の継承を進める組織ですので、他の社会活動とは
違う面は多々あると思います。
しかしながら、継承活動に必要な会員の確保については、今どきの
民主的な組織運営にも配慮しなければ、今どきの若い方たちを確保する
事に支障を生じる事もあります。

元々武術ですので個人の修行としては稽古が続けられる環境が確保できれば
良いのですが、昇段していく事が稽古を続けるモチベーションに影響する
今どきですので、如何に稽古の意味を理解し、その成果を得る事が楽しい事なのか、
そして、ついていきたい指導者であるか、そのあたりが大切だと思います。

伝統を維持し継承するという事は、守り続けなければならないものを
見失わず、ただただ稽古を続ける事であって、段位や称号の権威力にしがみつく
事ではありません。

武術は実力、武道は人間力が全てです。




# by yonagosinbukan | 2020-08-17 11:13

by yonagosinbukan